30脚の椅子に座る

緊急事態宣言が明けたので、先月から開催されていた「樹の一脚展」に行ってきました。

東陽町の竹中工務店東京本社併設のギャラリA4(エークワッド)で今月いっぱい開催しています。
週末は人が多そうなので休みを取って、10時の開場に合わせて行ったところ、滞在していた1時間半、ほとんど貸し切り状態で見ることが出来ました。
説明を見ながら写真も撮り、すべての椅子に座って座り心地を試してきました。

この展覧会は「人の営みと森の再生」のサブタイトル通り、日本の身近な森の素材を活かしていくという目的もあり、神戸六甲山と埼玉三富(さんとめ)地域の雑木を用い、30人の木工作家が1脚ずつ作品を展示しています。
その素材は雑木林のレギュラーメンバーであるコナラやシデ、ホオ、ヤマザクラなどです。
ヤシャブシやムクノキなど、木工ではあまり聞かないような気も使われていました。
作者は皆さん第一線の方々なので、普段は国内外を問わず良い材料で作品を作られていることが多いと思いますが、今回のような細くて癖のある雑木を加工するという難しさを、小さな部材に分けて組み上げるなどの工夫をしながら椅子に仕上げていったということがよく伝わってきました。
三富という地域はこの展覧会で初めて聞く名前でした。
江戸時代(約320年前)の開墾地で、屋敷(+屋敷林)・畑・平地林にゾーニングし、水を留め、落ち葉をたい肥にするなど、今でいうSDGsなシステムが残る地域なのだそうです。
関東平野はなんとなく水が豊かで土が肥沃なのかなと思っていましたが、全くそうではない地域もあるんですね。


DSCF2849.jpg
会場風景。三富の平地林の様子が壁に描かれ、小鳥のさえずりが聞こえます。


DSCF2859.jpg
「アオハダとムクノキの椅子」(久津輪雅)
グリーンウッドワーク(生木の木工)で製作された椅子。
樹皮を残して作られているのがいいですね。
座面はイグサ、脚の樹皮も緑色なので全体にうっすら緑がかって見えるのですが、無塗装です。


DSCF2869.jpg
「Ren(蓮) chair」(後藤雅宏)
背もたれの部分のカーブがいいですね。
座ってみるとこのカーブがちょうどいいんです。


DSCF2878.jpg
「bow stool」(中山和紀)
座面が薄い板の組み合わせ。脚の接合部分の加工が面白かったです。


DSCF2883.jpg
「UPRIGHT CHAIR」(安森弘昌)
座面の木目がきれいでした。
材はヤシャブシだそうです。


DSCF2893.jpg
「三富桜と吉野杉のベンチ」(平井健太)
背もたれの曲げ加工がすごいですね。


DSCF2897.jpg
「SANTOME Chair NO11」(宇納正幸)
ヤマザクラのシェーカーチェア。後ろの脚の頂部の意匠が素敵です。


DSCF2899.jpg
「ハイスツール」(會田竜也)
コナラの座面。素材の持つ割れや節が味を出しています。
座ってみるとそれが全く気になりません。
脚を留める三又の部材も面白いです。どんな加工なんでしょうか。


DSCF2904.jpg
「空五倍子色の椅子」(岡田敦)
虫が空けた穴でしょうか。
樹皮を抱き込んだ板は普通は使われないものでしょうが、いい雰囲気が出ますね。


DSCF2907.jpg
「小椅子」(岡田貴幸)
座面がカブトムシみたい。濃紺が宇宙を思わせます。


DSCF2910.jpg
「六甲の森」(児玉正和)
樽みたい!座面が広く窮屈感はなく、奥行きもあるのでゆったり座れました。


DSCF2915.jpg
「HT Stackable Armchair」(中野潤)
後ろからスタッキングできる構造です。
この構造は面白い!


DSCF2920.jpg
ゆっくり鑑賞した後は、めとろ庵で春菊天そば。
立ち食いそばは久しぶりだ。


DSCF2930.jpg
表参道のUPI表参道店に寄り道。
焚き火やキャンプグッズを眺めながらクラフトビール。
昼酒はうまいですね。


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 4

ナイス ナイス ナイス ナイス

この記事へのコメント